シルバーアクセサリーが、温泉などで黒く変色してしまうのはよく知られていますね。
でも、購入して間もないのにシルバーアクセサリーがいつの間にか黄色っぽくなった、黒くなってしまった!
そんな経験されて、がっかりしてしまった方もいるのではないでしょうか。
実はこれ、酸化しておこった「サビ(錆)」ではないんです。
黒く変色してしまう本当の原因を知り、正しいお手入れや保管方法を知ることで、変色を可能な限り防ぐことができます。
この記事では、シルバーアクセサリーの変色の原因や、変色を防ぐための具体的なお手入れ方法、保管のポイントを詳しく解説していきます。
大切なアクセサリーを長く美しく保つために、ぜひ最後までお読みください。
シルバー925のサビの正体とは
錆(さび)だとよく思われているこの変色の正体は、実はシルバーが硫黄成分や塩素に反応して黒く変色する
「 硫化(りゅうか) 」または「 塩化(えんか) 」
という化学反応です。
[硫化や塩化ってサビと何が違うの?]
時々「シルバーって錆びてしまいますか?」
というご質問をいただくことがあります。
ご安心ください、答えは『 No 』です。
硫化・塩化はサビとは違います。
「錆び」は、鉄などが水に濡れたりして時間が経って、
金属自体が赤茶色になってボロボロになってしまう現象です。
「錆び」は金属を浸食して劣化させてしまい、1度錆びると修復はほぼ不可能です。
ですが、「硫化」は金属表面に「硫化膜」ができているだけで、金属内部に浸食しません。
ですから、表面を磨くだけで元の輝きが戻ります。
何十年も昔の古い10円玉でも磨くとピカピカに戻りますよね?
硫化はそんなイメージです。
実は銀を錆びさせてボロボロにすること自体、
普通の生活ではほぼ不可能だそうです。
長く保管しておいても、ちゃんとしたシルバー製品であれば
金属内部が劣化してボロボロになってしまうことはないので安心してくださいね。
シルバーアクセサリーが半永久的に使える一生ものになるというのは、
こういうことからなんですね。
[硫黄について]
日常生活の中で硫黄なんて触れることあるの?
と思われる方は多いかもしれません。
硫黄と聞いて思い浮かぶのは温泉だと思うのですが、
実は空気中にも硫黄は存在します。
シルバーアクセサリーを置いておくだけで変色してしまうのはこの為です。
温度や湿度が高いと反応が早まったり、硫化物が湿気に溶け込んで反応しやすくなりますので、夏場や梅雨の時期などは要注意です。
人の皮脂に含まれるタンパク質の成分中にも
わずかに硫黄が含まれているんです。
また化粧品に含まれる界面活性剤にも硫黄分が含まれています。
意外なのが、ゴム・合成ゴムやパーマ液や白髪染め、洗剤。
これらにも実は硫黄分が含まれています。
この他にも、
石油ストーブやファンヒーターの灯油の中には硫黄分があり、燃焼されて室内に硫黄成分が充満しますし、自動車のガソリン中にも硫黄が入っているので、クルマの排気ガスの中には硫黄分が含まれます。
直接触れていなくても、近くに置いておくとこれらの製品から発生した硫化ガスが変色の原因になりますので、シルバー製品と一緒に保管するのは避けましょう。
[塩素について]
また塩素も銀製品を黒くさせます。
具体的には汗・海水塩分・カルキ・塩素系漂白剤やカビ取り剤・塩化カルシウム系の防虫剤や除湿剤などになります。
他にもドライクリーニングに使われる塩素系有機溶剤も塩化の原因になります。
直接アクセサリーと触れていなくても塩化成分が空気中に含まれていると銀と化学変化を起こしますので、ドライクリーニング後の衣服に近づけたり、防虫剤や除湿剤を使っているタンスの中での保管は控えましょう。
塩素系の消毒液にも要注意です。
やっかいなのは、塩化膜は硫化よりも固く、変色してしまうと戻すのが大変ということ。
「でも塩素って水にも含まれるでしょ!?何か着いてしまった時洗い流せないってこと?」
と思われた方、ご安心ください。
水道水で濡れたまま長時間放置することを繰り返さなければ、神経質になる必要はありません。
洗ったあと、柔らかい布で水分をきちんと取り除いてあげれば大丈夫です。
化粧品や香水など化学製品
上記のように、硫化や塩化の原因になるものは他にもたくさんあります。
化粧品や香水などの化学製品も銀の変色の原因になりやすいので要注意です。
アクセサリーをつけたまま、香水をつけたり、ハンドクリームや化粧品がついたままの手でアクセサリーに触れたりすることで、より変色の原因になってしまいます。
・香水はアクセサリーをつける前に。
・ネックレスに触れる部分は避ける。
・化粧品などが着いたままの手で触れない・着用しない
など、なるべく化学成分との接触を避けましょう。
大事なのは
こまめな拭き取りと着用後の保管方法
え、原因てこんなにあるの?
いちいち硫化や塩化の原因になるか気にして使うのなんて面倒臭いし無理!
そう思われた方もいるかもしれません。
大事なのは、
・塩素分や硫黄分や化学成分に触れた時に、そのまま放置せず早めにきちんと拭いてきれいにしてあげること
・着用後は毎回きれいに拭き取ること
・なるべく原因となる成分に触れない環境で保管すること です。
シルバーの普段のお手入れ方法
見た目には何も汚れているように見えなくても、水分や汗・脂・化粧品が付着している場合があります。
使用後は、セーム革やメガネ拭きなどの柔らかい布でやさしく乾拭きをしましょう。
注意する点は、
研磨剤入りのシルバー用クロスと、
そうではないメガネ拭きのような柔らかい布が
違うことを理解して使い分けることです。
普段のお手入れは、
研磨剤などが入っていない
柔らかい布で拭き取るだけで十分です。
そして密閉できる容器や、チャックつきの小さなビニール袋などに入れ、
出来るだけ空気を抜いて保存しておきましょう。
2重にしてあげるとより空気から遮断できます。
頑固なシルバーの黒ずみの落とし方
普段からマメなお手入れをしていても、
やはり時間が経てばスペシャルなお手入れが必要になります。
そんな時は、下記の方法を試してみましょう。
※お手入れ前の注意
①ゴールドコーティングされているアクセサリーは
コーティングが剥がれて色落ちしてしまうので
下記方法でのお手入れは避けましょう。
②パールや天然石付きのアクセサリーは、
石部分を避けて磨くようにしましょう。
ポリッシュ液につけたり水に濡らすことはやめましょう。
①シルバー専用磨きクロス
通販サイトやホームセンターで数百円で手に入ります。
研磨剤が含まれており、磨くと黒ずみが取り除け、艶も出ます。
表面のごく薄い擦り傷なら、磨くことで目立たなくなる場合もあります。
使用上の注意は、
・アクセサリーが変形しないように力の入れ方に気を付けること
・表面に艶消し加工がしてあるアクセサリーの場合は、
クロスで研磨することでマット加工が薄くなってしまうこともある
ことです。
使用後はアクセサリーに研磨剤が表面についているので、別の柔らかい布で拭いてあげるか
気になる方は水でゆすいであげてください。
②シルバークリーナー液
1000円〜2000円前後で多く販売されています。
液に数秒程度漬けて、ジャバジャバと揺すってあげるだけで
真っ黒だったアクセサリーも見違えるほど綺麗になります。
クロスでは届かないチェーンや凹凸があるデザインのものも
きれいになるのがクリーナー液の良いところ。
引き揚げたあとは水で十分にゆすいで、しっかり水分を拭いてください。
使用上の注意は、
表面が白っぽく変色してしまう場合があるので、
・洗浄液に10秒以上つけないこと。
・頻繁にやりすぎないこと。
もし表面が白っぽく変色した場合は、シルバークロスで磨いてあげれば大丈夫です。
いかがですか??
お手入れちょっとめんどくさいなぁ、、
なんて思われるかもしれませんが、
新品みたいにピカピカになるとやっぱり嬉しいものです。
ゴールドやプラチナに比べると、
ちょっと手はかかるかもしれませんが、
その分愛着を持って身につけていただける
シルバーアクセサリー。
使い込んで滲み出るこなれ感も、
お手入れで取り戻す新品のような輝きも
是非どちらも楽しんでみてくださいね。
Ops.のこだわりの一つでもある「シルバーの品質」 そもそも色々なお店で ”SILVER925製” とか ”スターリングシルバー” とかって言葉はよく聞いてなんとなくは知っているけど、 あまり詳しくは知らないかも。。 とい[…]
当店取り扱いシルバー925の日々のお手入れ方法についての お問合わせを多くいただいております。 [caption id="attachment_14835" align="alignnone"[…]